ヒメアノ~ルをみました
「ヒメアノール」みました
いちばんはじめに何が言いたいかっていうと単純に
いやもう森田剛スッゲエ
そしてなんでわたしはこれを
劇場ではなく家にある19型テレビで見ているのか
公開当時は「ジャニーズにもかかわらずR指定」「エロい」「グロイ」の言葉ばかりを聞いていた気がする。
いちおう今住んでいるところの近くの映画館でもやっていたんですけど、さほど見る気もなく、テレビサイズでいいかというくらいで。さいきん少し時間がとれて「DVDでも借りるか」とレンタル屋さんに向かってからふらっと借りた一枚。
が、ヤバイ
基本的にこういう見てたら(物理的に)いたい感覚が味わえる作品がすきでよく見てたんですけど最近なかなかそういうのからは離れていて。むしろ映画やドラマを見ることからも離れていて、そのなかでこの作品を見たのはだいぶしびれるものがありました。
冒頭に書いたように、これを家で一人ではなく、映画館で多くの人と見て、観客の人の反応を見たいと思った。監督か。
わたしは予告編も何も見ずに「なんかヤバイらしい」くらいの情報量しか持ってない状態で見ましたが、見る人が見たら予告編だけでもだいぶクルものがある。わたしと同じように予告をまったく見ずにみてほしいから、ここにはあえて予告編貼らないようにします。
そういうのダメな人でとりあえず予告編って人は、刺激が弱い順としては
「TVスポット」→「特報」→「予告編」→「過激すぎてお蔵入り予告編」
の順番なのでこの順で吟味していただければと。
次からあらすじにも触れるので前振りとして。
このヒメアノールで剛君がやっている役名も森田くんなので、
森田:役のはなし
剛くん:森田剛君のはなし
だとおもって読んでいただけるとありがたい。
考察とかできないし書きたいことが全くまとまらなかったので作中でゾクゾクした場面とか感想を分けて雑多に。
この先ネタバレあり。
1.森田と和草
開始40分の所でやっとタイトル。しかも、宣伝ロゴ*1のものではなくておどろおどろしい”HIMEANOLE”って英語表記。聞いてると不安になる音楽。表題とおんなじ字体で紹介されていく出演者。夜の道を歩く森田。
森田が自宅について部屋の扉を閉めた瞬間にとまる音楽。電話をかける。
「殺したいやつがいてさあ…手伝ってほしんだよねえ………」
……………ッ(息をのむ音)
電話口でこう話す剛くんに単純に興奮した。
着信音にしたいと思った人いない?いないか。あとジュニウェブのvoiceするしかないと思った人は?これもいないか。とにかくこのセリフは一生わたしの心の中に刻まれるセリフになった。
電話の相手はトラウマである学生生活を共にし、卒業式の日に二人をいじめていた張本人を共に葬った和草(駒木根隆介)。そんな和草は現在、会社の跡取り息子として働いている。そんな和草に暗に「あの時のことを言う」と脅して金をせびる森田。逆らえない和草のそんな状況を見てられなくなった和草の彼女――久美子(山田真歩)は、警察に出頭するように伝える。これ以上狂っていく森田に黙ってられないと思った和草がこの電話で家に行くときに森田を殺すことを決意。
お察しの通り、和草とその場に一緒にいた久美子は殺される。
たしかにあの小柄な森田(剛くん)に対して大柄な和草(駒木さん)だったら勝率はあると思うし、さらに2対1だったら確実だと思う。でも「殺す」ことにまったくといっていいほど躊躇がない森田にはかなわないのだ。
関係ないけど和草が殺されてる間、めちゃくちゃ久美子の心配した。
「逃げて~~~久美子逃げて~~~いやでもたしかに目の前で彼氏が半殺しの状態でピクピクしてるの見たらそりゃあ動けないか~~~~~~…背中見せて逃げられない……熊かよ…熊だな……でももし逃げられたとしても森田とか地獄の底まで追ってきそうだもんな……結局無理だごめん久美子……」
ほんとかわいそう久美子。
森田はこの後、ふたりを自分の住んでたアパートごと燃やす。森田にとって和草はただ学生生活を一緒に過ごしただけの人だったのかそれとも少しは思い入れがあったのか。
2.安藤先輩
安藤先輩こわい。見た目ムロツヨシなのにこわい。
というかむしろ普段のムロさんを知っているからこわいのか。人を簡単に殺しちゃう森田より安藤先輩のほうが何しでかすかわかんない感じが気持ち悪かった。「邪魔だから殺す」「うるさいから殺す」の森田の殺しようはもはやすがすがしい気持ちで見てた。
だから個人的に作中でいちばん怖かったのは、安藤先輩が片思いしているユカ(佐津川愛美)が、安藤先輩じゃなくて岡田(濱田岳)を好きになってしまって、その告白の瞬間を見てしまっていた安藤先輩と、「告白なんかしてすみません!」って叫びだすユカのふたりの不協和音(欅坂ではない)。
いちばんがそこかと言われるんだけど、あの場面は何回見ても気持ちが悪い。
3.エンディング
人では思っていないように次々とヒトを殺めていく森田が最後は警察から逃げるための車を奪うために関係ないサラリーマンをメッタ刺しにする。
車を奪われメッタ刺しにされついには頭を轢かれてしまったサラリーマンは全くと言っていいほど無関心だったにもかかわらず、最後犬の散歩をしている老人を避けて、電柱に衝突。
自分から事故をおこし自滅してしまう森田に違和感を覚えたんだけど最後の回想シーンに一匹の白い犬が出てきた瞬間に納得した。
こういうところに森田の人間味が出てくるから恨めない。むしろいとおしく思えてくるくらい。
フラグや伏線をきれいに回収してくれる映像作品は大好きです。
4.作品について
原作の古谷実さんって『行け!稲中卓球部』書いた方なんですね。あまりにも作風がちがうのでびっくりした。とおもってたけどそのあと『ヒミズ』も書いた人だと知って納得した。
普段だとわりとどういうところが映画と違うのかって探したくなる性質だから原作読んでしまうんだけど、これはここで完結しといたほうがいいのかもしれないと思った。あ~~~ヒメノアール映画関係の番宣、活字、読み漁りたい。
はなしはかわるけど
ほんとうにこれ剛くん目当てで行った女の子たち大丈夫?
R15に指定されているこの作品。
R15:PG12より刺激が強いものに加え、いじめ描写や暴力も審査の対象。放送禁止用語を使用した作品・偽造犯罪を題材にした作品・暴力団ものも対象となる。
R18:R15に加え、著しく性的感情を刺激する行動描写・著しく反社会的な行動や行為、麻薬・覚醒剤の使用を賛美するなど極めて刺激の強い表現が審査の対象となる。
R指定の基準を見てみるとふむ…と思ったけどたしかに18まではいかないかもしれない…これはむずかしいな…
わたしは前述のとおり結構グロ映画もいけるひとなので大丈夫だったけどおそらく後半ずっと目をつぶっていた人もいるよね…すべてがいちいちリアルで。まあ「剛くんが出てくる」=「そういう流れ*2」っていうのが分かるから突発的なものじゃないだけいいかもしれないんですが。
殺すシーンでいちばんゾクゾクしてすきなのは立派な一軒家の夫婦を殺して、そのあとその夫婦の安否を心配して訪れた警察が部屋の奥においてあった赤い袋を見つけてしまった瞬間。
だ~~~から玄関まで入ってやめとけっていったやろ~~~!!!警察のおにーさんきれいにフラグ回収してんじゃね~~~よ!!!
あんなナチュラルに寝起きで包丁持って玄関に向かう人はじめてみた。
やっぱ「殺している最中の場面」より「殺したんだって暗にわかってしまう場面」のほうが怖くて好きです。
4.森田と剛くん
8月末、「学校へ行こう!」のスペシャル番組が放送された。
剛くんを見るのはヒメアノールを見て以来で、番組を見たときに ” アイドルの森田剛くん " がそこにいて安心した。なにかの雑誌で当然の話「役と普段はきっちり使い分けている」と言っていたし、普段の剛くんを知っているからまったく違うとはわかっているんだけど、それくらいこの映画の森田は剛くんだった。
人の心を持ってなさそう見えて、妙に人間味がある森田の役が余計にこれをわたしの中で助長させたのかもしれない。
それにしても、やっぱ自分の好きな人たちにもこういう役をやってほしい…
「ドヨルの妄想族」でやった神山くんのサイコパスストーカー男の熱演すごいすきなんだけどめちゃくちゃはりきっていかにもみたいになってしまいそうだし、二宮さんもにあいそうだけど顔がかわいい(顔がかわいい)(大事なことだから2回言った)
…っていうのは冗談で本心ではそれこそ「青の炎」の頃の触ったら壊れてしまいそうな雰囲気を持った二宮さんだったら推してるけど、妙な大御所感が出てしまっている今の二宮さんはあんまり推せない……
いや剛くんも大御所だけどね!?
ってかんがえると剛くんみたいな空気感出せる人ほんとなかなかいないよなあ…「ぱっとみ普通なんだけど関わっちゃいけないような雰囲気」をだすのってめちゃくちゃむずかしくない?
余談なんですけど、殺しちゃうだけじゃなくてレイプする場面もあるんですよね。レイプしながら首絞めると中が締まって気持ちいいみたいな人いたの、なんだっけ、何の映画で見たんだっけこれ。どこでみたんだ?まあそういう性癖の役もらえる森田剛最高だな!ってずっと思いながらみてた。
以上!
ヒメアノールをみて映画でこの迫力なら、舞台に立って直接みた「役者・森田剛」を見たときはどうなってしまうんだろう、と想像して震えた。
次、剛くんの舞台が決まったら是非観劇させていただきたいです。